

先日、診療で
「コロナ騒動で、工場が止まり、フードが入ってこなくなってしまうというウワサを聞きましたが本当でしょうか?」
というご質問をいただきました。
確かにその可能性を完全否定することはできません。
日本でも、様々な流通が遅れたり、工場がストップしたり、通常だったら品薄にならないようなものまで品薄になったりということが起こっております。
ですから、ご心配はなお気持ちはよくわかります。
でも、仮に品薄になってもならなくても、ペットフードに関してはどちらでも対応出来ると思います。
そもそもどうなるかは誰もわかりません。
誰かが、流通を意図的に途中で止めてしまえば、「潤沢に商品があるのに、消費者には届かない、そして値上がりする」ということは、マスクでも起こったことです。
このように、なにが起こるかなど誰も完全予測は出来ませんので、どうなってもいいように準備をしておくということが重要だと考えます。
買い占め不要!
まず一つに、買い占めなど絶対に起こさないようにしましょう。
そもそも、オイルショックの時のトイレットペーパー騒動も、最初はたった2つの間違った情報伝達から不適切な拡散が起こり、パニックが起こったという歴史的事実があります。
残念ながら、今回のトイレットペーパー騒動も、商品もあるし、流通もあるのに、パニックになった一般消費者が通常の流通量を上回る消費をしてしまったために、トイレットペーパーが少なくなるということが起こりました。
ここは冷静かつ理知的に行動をしましょう。
また、問題解決能力を高める事は極めて重要です。
問題解決力を高める方法
問題解決能力を高めるためには選択肢を増やすことが重要です。
そのためにも、飼い主さんが作って犬や猫に食べさせるという選択肢を加えて欲しいのです。
世の中には、手作りご飯や手作り食というと、反射的に不適切な不安がよぎる方や、考える事もなく頭ごなしに否定する方がいらっしゃいますが、そろそろそれは解決すべきと思います。
そもそも、手作り食に限らず不安は「適切な情報を知らない」から起こります。
ですから適切に知ればいいのです。
ちなみに、手作り食の不安といえば…
栄養バランス教から抜けだそう!
●栄養バランスをきちんと取らないといけない
●しかし栄養バランスを最適化するのは一般の飼い主さんには無理
●作るのがめんどくさい
●塩分が気になる
●手作りごはんで病気になったらどうしよう?
●手作り食で症状が悪化したらどうしよう?
●手作りご飯をせっかく作ったのに、食べてくれなかったらどうしよう?
●食べさせちゃいけない食材があるらしいけど心配
●手作り食にするとおしっこが薄くなって腎臓病になると聞いた
●手作り食にすると下痢をすると聞いた
●災害時のためにペットフードに慣らしておかないといけない
という不安があるようですが、どれも間違った情報に基づく、不適切な不安です。
ちなみに私はこれらの不安を「全く」感じないので、適切な情報を学べば、その心配は払拭されるのです。
理屈より現実の結果が優先される!
ちまたでは、栄養バランスが崩れたら病気になると言われておりますが、そもそもその栄養バランスが崩れると指摘される食事をし続けて、健康に育っている犬猫がいるのだとしたら、その前提が間違っているのではないでしょうか?
また、インスタント食品・加工食品が食べられるのに、その原材料を家庭で調理したものが食べられないなどという発想自体がおかしいと思いませんか?
また、合わない食材があるのであれば、それは取り除けばいいわけですし、なにが合わないのかは学べばいいだけの話です。ただ、残念なことに、不必要な不安を煽る情報がネットには多いので、注意が必要です。
そしで、完璧に勉強してからでないと実践できない!などという危険なものではありません。
もちろん、私はペットフード完全否定ではではありません。しかし、ペットフードでなければならないという主張に対しては、学術的にも、診療経験上もウソだ!と異議を唱えているだけです。
「犬はもともと狼だから、肉を食べるように体が調整されてきた。」とか
「猫は本来、小動物を狩って食べる生き物だ。だから魚を食べるのは不自然だ。」という、一見もっともそうな主張もあります。
犬は元々狼だから、肉を食べるように進化してきた…というウソ!
確かに、そのような歴史的事実はあったかもしれませんが、では、犬や猫はそれまで歴史上食べてきたもの以外のものを食べたら、消化吸収できないのでしょうか?病気になるのでしょうか?だとしたら、ペットフードも食べられませんよね?
そんなミスリードが、ペット業界には珍しくなく、真面目な飼い主さんが、その影響を受けて不安になっている現実があります。
そういった不適切な情報を正し、何を食べてもオッケー(正し害になる物以外)という世の中になったらいいなと思っております。
もちろん、ペットフードを食べさせたいという方はそれでいいという立場です。
しかしペットフード以外を食べさせたい方が非難されるような世の中にしてはいけないのではないでしょうか?
と熱く語って話を元に戻しますが、「コロナでペットフードが市場に出回らなくなるか?ならないか?」ということに関しては、どうなるかは今のところ解りませんし、そうならないで欲しいとは思います。でも、最悪を想定して対処するのが問題解決の基本ですから、「なくなっても平気」という準備をしておくことは重要と思います。
飼い主さんが不安な気持ちの中、ものごとを続けるのは、ペットも気になります。
犬猫に負担をかけない飼い主になるために必要な事
犬や猫に影響を与える不安や心配は、適切に学ぶことで解消します。
適切に学ぶためには、知識だけを知っている人ではなく結果を出し続けている人に学ぶのが一番です。
ペット食育協会では、日常生活で手作り食を実践し、合う合わないといったことも理解している経験豊富な指導士の方が、アドバイスをしてくれますので、ぜひ適切に学ぶ機会としてご活用ください。
現在、世の中が大きく変わろうとしています。
かつての生活に戻るかもしれないし、戻らないかもしれません。
どのような変化があったとしても、対応できるように、準備しておきたいものですね。